龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
文化祭当日


志鶴の頼みじゃなきゃ行事の時に学校なんか来ない。

僕はこの土地で最も由緒ある一族の長だ。

わずらわしいほど多くの人間が挨拶と称して僕の周囲にたむろす。


勘弁してくれ


時にはただの若い男でいたい。


「よぉ、圭吾」


よかった

少なくとも一人は僕を普通に扱う奴がいた。

従弟の悟――いや、今日はジャック・スパロウらしい


「やあ、キャプテン。粋だね」


「イケてるだろ?」


イッちゃってる感じだけどな


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