片恋★パンドラボックス
「ねぇ、優斗?」



「んー?」



「いつになったら彼女にしてくれる?」



「え?」



肩に頭を預けたまま上目遣いでそう問えば、突然のことに少しだけ目を見張る優斗。



「冗談?」



「マジ。いつになったら彼女にしてくれる?」



ほんの少しの間の後、質問を質問で返してくる優斗をただ真っ直ぐ見つめながら、あたしはもう一度問いかけた。



「あー…」



すると視線を泳がせながら苦笑いを浮かべた優斗は、真剣な眼差しを向けるあたしをチラリと見ると、観念したかのように「はぁぁー…」と、大きなため息をついて。



「あのね奈緒サン?勘違いしてもらっちゃ困るけど、俺はいつでもウエルカム状態なのよ?」



「だったら!」



「でもアナタ、まだ兄貴のこと好きでしょ?」



「……」



「ほら!だからダーメ。俺の彼女の座が欲しければ、まずはその気持ちを捨ててから。俺に処女を捧げるぐらいの覚悟が出来てから。それが俺のプライド。」



「なっ!」



瞬間、カッと赤くなってしまったあたしは、「…なんて、ね。」と笑いながらあたしの頭をポンポンしてくる優斗から、パッと視線を逸らした。

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