片恋★パンドラボックス
なんで優斗には全部分かっちゃうんだろう。



言ったことなんてないのに、なんでバレバレなんだろう。おにーちゃんへの気持ちも、経験ゼロだってことも。



恋愛経験なんて、見た目がちょっぴり派手だから、むしろ豊富って思われるぐらいなのに…。



「なんで…」



「なにが?」



「なんで優斗には全部バレバレなのー!」



もう、こうなったら当たるしかない。
バッと顔を上げたあたしは、ぷぅっと頬を膨らませながらポカポカと優斗の肩を叩いた。



「それはね、奈緒ちゃんが分かりやすいからだよ。ねっ、チャッピー?」



「うっ…。」



でも当の優斗はというと、ケラケラ笑いながら相変わらずチャッピーと会話してる。

< 114 / 205 >

この作品をシェア

pagetop