片恋★パンドラボックス
樹海に踏み込む覚悟なんて全然出来てなかった。



さっそく迷子になって泣いてるなんて、未だ彷徨ってる優斗になんて言えばいいんだろ。



情けない。情けなさすぎてこのまま死んじゃいたい。



………熱のせい。うん。こんな風に考えちゃうのもなにもかも、きっと熱のせい。
明日にはきっと笑えるはず。



「おやすみなさい。」



誰もいないドアの向こう側に向けてポツリと呟いたあたしはゆっくりと瞳を閉じた。



「おやすみ…なさい。」



そして誰に言うでもなく再び呟いたあたしは、そのまま夢の世界に落ちていった…。




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