片恋★パンドラボックス
「……んっ…」



「……起きた?」



「えっ!おに…い…ちゃ…ん?」



「ん。」



あれから何時間経ったんだろう。



いつの間にか窓の外は真っ暗。月明かりだけが部屋を照らす中、目の前にはベッドに腰掛け、あたしの顔を覗き込むおにーちゃん。



寝起き一番におにーちゃんのドアップはビックリして叫びそうになったけど、声が掠れてうまく出ない。



「ゴメン。勝手に入っちゃった。」



「へ?」



「だってお前、俺と一緒に居るの嫌だったんだろ?」



「えっ…」



申し訳なさそうに、ちょっぴり切なそうに顔を歪めるおにーちゃん目の前にプチパニック状態。



なんて言っていいのかわからなくて、何を言えばいいのかわからなくて、「えっと…その…あの…」とキョロキョロと視線を彷徨わせたあたしは、バッと布団を被ると、寝返りを打ちおにーちゃんに背中を向けた。

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