片恋★パンドラボックス
「嫌なんかじゃない!」



「え?」



「おにーちゃんだもん!嫌じゃない!傍にいて欲しいってずっと思ってた!手、繋いで欲しいって思ってた!1人で寝るの、寂しいって思ってた!」



「えっ…えっ…」



「あたしはずっとずっとおにーちゃんが…」



もう限界。



瞬間、ポロリと零れた涙と同時に動いた唇。声は掠れて言葉にはならなかったからおにーちゃんの耳には届いてないはず。



でも、やっぱりもう限界。



「奈緒…」



「………出てって。」



「えっ…」



「もうっ、今すぐ出てって!おにーちゃんだって彼女居るんでしょ!結婚するんでしょ!あたしのことは放っておいて!!……もう、優しくしないで。」



バッと布団の上に顔を埋めたあたしは、後ろ手に枕を取ると、力無くおにーちゃん目掛けて投げつけた。

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