片恋★パンドラボックス
意外と冷静なおにーちゃんの声にパッと顔を上げれば、目の前には頭を抱えながら、はぁー…と大きなため息をつくおにーちゃん。



「あっ…えっと…ごっ、ごめ…キャッ!」



「あー…このままでいいから。」



冷静になれば一気に恥ずかしさが込み上げてくるけど、体の上から退こうにもギュッと抱きしめられててそれも叶わない。



「えーっと…」



「あー…うん。とりあえず始めから。」



「へ?」



「俺に彼女?結婚?…んなもん、いねーし。ってか相手もいねーのに結婚なんてどーやってすんの?」



「へ?」



抱きしめる力を緩め、キョトンとするあたしを覗き込んでくるおにーちゃん目の前に、あたしの頭の中に大量のハテナマークを浮かべた。

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