片恋★パンドラボックス
「まったく、余計なことしやがって!」と悪態をつくおにーちゃん目の前に開いた口が塞がらない。



あんなに悩んだのに…あんなに泣いたのに…危うく優斗に抱かれるとこまで追い込まれたのに…。ほんと、あたしの涙を…いや、確実に無くした全てを返して欲しい。



でも、そんなことよりなにより。



「おにーちゃん…」



「ん?」



「なんかもう…うん。とりあえず寝かせて。」



「へ?」



とりあえず穴があったら入りたい。



勢い任せだったけど、なんだかかんだで告白しちゃったし、今顔合わせるのはちょっと…いや、絶対無理。



「お願い。寝かせて。」



おにーちゃんの腕の中で身を捩ってみるもなかなか抜け出せない。



でも、顔だけは何が何でも合わせたくない。

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