片恋★パンドラボックス
「えっ、と…」



「へぇー…」



「あの…」



「へぇー…そっか、そっか。」



一体なに?この人…。



でも目を泳がせるあたしとは逆に、まるで品定めするかのように、あたしの顔を覗き込んでくる女の人。



美人に…ううん。おにーちゃんの彼女にジロジロと見られるなんて、それこそ気まずさ最高潮。



「っぅぅぅ~…!」



「えっ、ちょっ!奈緒!?」



瞬間、隣の優斗の背中に回り、ギュッとカーディガンを握り締めたあたしは、顔を隠すように背中に顔を埋めた。

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