片恋★パンドラボックス
「お前さー。」



「んー?」



「ほっんと、デッカくなったよなー。」



「そーおー?」



「なった、なった!あーんなにちっちゃかった奈緒に彼氏なんて…にーちゃん、ちょっぴり寂しいなぁ……なんて、なっ!あはは…!」



「っ!」



でも、ちょっと油断すれば、その隙をつくように脳裏を過ぎるのは、あの日の優斗の言葉。



『捨てようとするのは簡単だけど、手を伸ばせばすぐ拾える距離にある。それを我慢するのって、けっこう辛い…よ?』



もう忘れてしまおうと頭を振ってみても、何度も何度もリピートするソレは、あたしの心の奥に、しっかりと刻み込まれてる。

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