竜を狩る者
ギルド本部建物内。

「さぁ、早く!私の肩に捕まって!」

瑞樹が女性を助け起こす。

依頼の受注で世話になっている、ギルドの受付の女性だ。

巨大竜種襲撃に伴うギルド本部の一部崩壊により、怪我を負って倒れていたのだ。

「一体何なんですかぁ、あの竜種はぁ…あんな大きいの見た事ありませんよぉ…」

この状況下でもどこかのんびりと、由羽が女性に訊ねる。

「…あれは…『ムシュマッへ』…」

額から流れる血をハンカチで押さえながら、受付の女性は呟いた。

< 122 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop