竜を狩る者
世界はこんなにも未知に満ち溢れて
投げたナイフは次々とその鱗を貫いて突き刺さり、流血をもたらす。

討伐したワイバーンの爪を素材として加工した投げナイフの刃だ。

その威力は鋼の甲冑さえも紙のように切り裂く。

相手が竜種でも、その威力は何ら遜色はない。

だが…。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

建物を遮蔽物として身を隠しながら、コウは燃え盛る街の中を走った。

あんな巨大な竜種は見た事がない。

この城塞都市で一番大きなギルド本部の建物よりも更に大きい。

見上げるほどの、七つ首の巨大な竜。

「あんな竜種、依頼書でも見た事ない…何なのよアイツ!」

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