竜を狩る者
驚いて振り向くラムダ。

背後には、燃えるような赤髪の女性狩猟者が立っている。

身につけているのは上等な鎧。

「…ガルグイユの甲羅を加工して作った鎧ですか」

「へぇ…なかなかの目利きね。ズブの素人狩猟者って訳でもないんだな」

フューリーは笑って見せる。

「それにしても、あんたみたいなガリガリの細身でズメイの相手は無謀だわね」

「ガリガリとは失礼ですね。こう見えても昔は剣士で鳴らしていたんですよ?」

ラムダは軽く溜息をついて見せた。

男前、理知的な雰囲気を醸し出すラムダには、こういう仕草がよく似合う。

「にしては剣を帯びていないじゃないか。武器はどうした?」

「…ありますよ、ほら」

フューリーの問いかけに、ラムダは手にした革袋の中を見せる。

入っていたのは弓と数十本の矢だった。

「ズメイの毒にやられましてね…剣を振るうにはキツくなってきたんです」

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