竜を狩る者
「だけど」

フューリーが真っ直ぐにラムダを見据える。

焚き火の炎に照らされた彼女の赤い髪。

そして瞳。

生気に満ちた、光を帯びた瞳。

「10年前のあんたは一人でズメイに挑んで返り討ちにあった…だけど今回は私がいる」

「…まるで僕だけじゃ力不足みたいな物言いですね」

「事実ズメイに返り討ちに遭ったんだ、そうだろ?」

言い難い事をズバッと言うフューリー。

「力不足で何が悪いんだい?足りないとこを補い合ってこそのパーティーだろ?」

「……フューリーさんが押しかけてパーティーを組んだだけじゃないですか…」

「ツベコベ言うな!」

いつまでも卑屈に愚痴を重ねるラムダに、フューリーは革袋の中から取り出した毛布を投げつけた。

「夜は冷えるから病人には堪える。体を冷やさないようにしな」

「……はい」

無骨だが、不器用な気遣い。

ラムダはそれが嬉しかった。

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