竜を狩る者
翌朝。

日の出と共に二人は火山へと登り始める。

硫黄の臭いが麓にも漂ってくる。

卵が傷んだような、あまり歓迎できない臭いだ。

「あまり吸わない方がいいですよ。決して体にいいガスではないですから」

ローブの襟元で口を覆ってラムダが言う。

フューリーもまた布で口元を覆って硫黄を防いでいた。

「…ズメイの毒も、この硫黄と同じ臭いがしました。きっとこの火山に棲みつく事で、硫黄の毒性を体内に取り込んだんでしょうね」

「……」

こんな草も木も生えない、生物を拒絶するような火山帯に生息するズメイ。

こんな場所で生き延びられるなんて、一体どれ程の化け物なのか。

ラムダに啖呵を切ってはみたものの、フューリーもまたズメイの生命力に僅かな不安を募らせていた。

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