竜を狩る者
火山の中腹に差し掛かる頃には、気温までもが高くなり始めていた。

今尚活動している活火山。

そこかしこから白煙が上がり、時折地殻活動による震動も感じられる。

ともすれば噴火するのではないか。

そんな印象さえ感じられる。

「本当にこんな場所で生物が生きられるの?いくら竜種と言ったって…」

まるで地獄のような光景。

フューリーはズメイがこの場に存在する事自体を訝しんでいる。

「間違いないですよ」

対するラムダは確信を持った表情だ。

微塵の疑念すら見せない。

10年前のあの日、あの時、彼は確かにこの火山で異形の竜種に遭遇した。

火山の吐き出す白煙の陰から現れた巨大な三つ首の竜。

奴によってこの体は…。

ギリッ…。

フューリーにも聞こえるくらいに、ラムダはきつく歯噛みして、直後。

「…!…フューリーさん、止まって!」

彼は即座に革袋の中から弓と矢を取り出した!

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