竜を狩る者
音を立てて地面に落ちる首。

残る二本の首が苦しげにうねる。

「残る首もこの調子で…」

フューリーがソーサーシールドを構える。

しかし!

「待って下さいフューリーさん!」

ラムダが彼女の動きを制する。

…目の前のズメイ。

その切断されたばかりの中央の首の傷口が、異様な動きを見せていた。

傷そのものが収縮と膨張を繰り返している。

溢れるほどの流血も瞬時にして止まり、やがて傷口そのものが塞がり始める。

「再生している…?」

伝承に曰く。

ズメイは悪の存在であり、首を切り倒しても復活する不死身の竜。

不死身というのはいささか語弊があるかもしれないが、そう思わせるほどに高い再生力を有しているのは間違いなかった。

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