【短編】ぼくはポチ
―ミキちゃん、ミキちゃん


ぼくはミキちゃんと同じように

話しかけているのに、他の人は


「また鳴いてるよ」


と言うんだ。



違うよ。

鳴いてないよ!

ミキちゃんを呼んでるんだ。


「ポチ」


優しくて綺麗で柔らかい声…


―ミキちゃん!


「おいで!」


白くて細い腕にぼくは飛び付く。

優しく微笑むミキちゃん。

目を細めて笑うミキちゃん。

ぼくを愛してくれるミキちゃん。

ぼくが大好きなミキちゃん。


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