二つのシルエット


てゆうか里桜の最初の質問スルーしてるし、那都。


「ねぇ、悠生。
蒼龍って知ってる?」


「えっ?」


全く違う事を考えていた私は、いきなりの海からの質問を思わず聞き返してしまった。

てか、蒼龍ってあの…


「全国No.2の暴走族なんだけどね。」


デスよねー!
そうだと思ったー!


「俺らがその蒼龍なんだぁ。
那都が総長で里桜が副総長、俺と洸は幹部なんだぁ。」


「…そうなんだぁ。」


やっばい。
やっちゃったぁ!

とにかく正体バレないようにしなきゃ!


「どうしたの? 悠生。
顔色悪いよ?」


海がそう言いながら私の顔を覗いてきた。


「海がそんな話して怖がらすからでしょ!

大丈夫だよ、悠生ちゃん。
俺らは悠生ちゃんに危害加えたりしないから。」


今度は里桜が微笑みながら話しかけてきた。


「あ、うん。
ありがとう。」


いや、別にそうゆう意味で顔色が悪い訳じゃないんだけどね。


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