二つのシルエット
どうしよう…。
那都と二人きりなんて初めてだし、何話せば良いか分からない。
いつもは海とかがいるから…。
あれ? そう言えば、
「今日、海たちは?」
那都は私をちらっと見て、
「出かけてる。」
そう答えた。
どこに?なんて聞かない。
聞いても答えてくれないだろうし。
多分、蒼龍に関係してるんだろう。
「不満か?」
「えっ?」
「俺と二人じゃ…不満か?」
那都が私の顔を覗きながら聞いてくる。
ドキッ
えっ?
何、今の胸の鼓動…。
違う。
そうだよ…。こんな美形滅多に居ないから、
だからちょっと動揺しただけだよね?
「べっ、別にっ…。
そんな事、ないよっ…。」
私は視線が定まらないまま、答えた。