EXIT~出口を探し求めて~
それからどれくらい時間たったのだろうか。
やっと泣きやんだときはすでに辺りは暗くなり始めていた。泣き止んだ後も、何もする気にならず、冷たくなった母さんの側でただ呆然としていた。
僕は昔母さんに聞いた話をぼんやりと思い出していた。
「ゼロ、いい?よく聞いていてね?魔物は夜になると活発になって、とても強くなるの。だから夜は外を出歩いちゃダメよ?それと、魔物は凄く良く鼻が効くの。特に血の匂いには敏感だから、よーく気をつけるのよ?」
何故今思い出しなのかはわからない、でもいつまでもこうしててはいけないと言われたような気がした。
重たい体を引きずりながら、僕は母さんの言う通りに地下に行きロックナンバーを入れスイッチを押した。
すると床が開き下に下りれるようになっていた。
そこを下りていくと大きなタンスが見えた。
一番上の棚にカギ穴があり、そこに母さんから貰ったカギでタンスを開けた。
中には入っていたものは
「剣?」
剣が一振りだけ入っていた。
中に手紙が入っていた。
――――ゼロへ
あなたがこれを読んでいるということは私はもう死んでしまっていることでしょう。
この剣は私たちが長い間研究を重ね、
やっと作り上げた神の力が宿る剣――神剣――
この剣であればきっと魔王と戦える唯一の武器、私達人間にとって最後の希望なの。
それを阻止するために、これを狙って来る魔物がたくさんいます。
信頼できる私の息子だからあなたに授けます。
決して誰にも渡してはなりません。
肌身離さず持っていてください。
きっとあなたを守ってくれるはずです。
神剣のことはすでに世界中の魔物に知れ渡ったことでしょう。
早くこの家から離れスニメナのおばさんのところに行きなさい。
手紙に続きはありますが
スニメナのおばさんのところに行ってから読んでください。
早く逃げて
魔物が来る前に―――――
僕は手紙をしまい、家を出た
必要な荷物を積めて
勿論、神剣も持って
町を抜け町外れにあるスニメナおばちゃんの家を目指して
ひたすらに走り続けた。