EXIT~出口を探し求めて~
「簡単に渡すとでも思っているのか!!」
チャキッ
「まだやろうというのか、死に急ぐものではない。が、まあいいか、やれ。」
「…………はい」
ダッ
ガンッ
ギンッ
「くっ!」
「さっきの威勢はどうした。防戦一方ではないか。大人しく渡せば命だけは見逃してやってもいい。」
(母さんが危ない!!助けなきゃ、でも僕が行ってできることなんて…。ううん、僕が頑張らなきゃいけないんだ!何か、何か武器になるものは…!)
ゼロはとっさに近くにあった暖炉を見た。
暖炉の上には剣が飾ってあった。
(あれは使えるかもしれない)
ゼロは暖炉に駆け寄り剣に手を伸ばし、その一つを引き抜いた。
(後ろからまだ金属音が聞こえる早くしなくちゃ)
剣を取ったゼロはドアの前に立ち、震える自分を奮い立たせた。
(ふぅ…
がんばるんだ
僕が、母さんを助けるんだ…!!)
ゼロが意気込み、ドアに手をかけたその時、中からドスッという鈍い音がゼロの耳に届いた。
「ぐっ!うぅ…」
(かあ…さん?)
僕は慌てて目の前のドアを開いた。
ドアを開いた僕の目に飛び込んできたのは、腹部に剣が刺さりそこからたくさんの血が溢れて出て腹部を押さえながら、うずくまっている母さんだった。
その脇で母さんに刺さってる剣を抜いている僕と同じくらいの年の子がいて、その後ろには人ではないものが立たずんでいた。