茜の空
ザワザワする教室。
3-6の生徒は男女ともに36人学級。
担任はもちろん萩原先生。
そして、
その萩原先生に連れて来られたのが
この私…。
ダ、ダメだぁ~!
みんなこっち見てるよぉ~!
って当たり前か。
私は今日からこの学級の臨時副担任と
して、この場に立ってるんだから。
なんか、この歳になって初めて
転校生の気持ちがわかった気がする。
『こら~!静かに!新しい先生紹介するぞ~!』
萩原先生の声に、教室内は嘘のように
静まり返った。
『まぁ、集会でも紹介してたが、今日からお世話になる長瀬先生だ。何を隠そう、ここの卒業生であり、俺の教え子だ。』
エッヘン!とばかりに先生が威張ると、
生徒たちはたちまちざわめき始める。
それって自慢するようなこと!?