愛を教えて。
「なにが飲みたいですか?」



「白石さんの家で、紅茶が飲みたい。最高級の紅茶!」





私の家?




いままで、家に行きたいとだだをこねられたことはあったけれど、その都度、うまく流してきた。



しかし、今日は、そうはいきそうもない。





それに、私の家にまでこられたら、彼女なら、マンションで暮らしたいと言い兼ねない。


断ろうにも、今までのように、流れで受け流すことは、できそうにもないし。








本当に困った。




「ほら、白石さんの家ってこの近くでしょ?」


糸井エリナは、私の腕をぐいっとつかむと、私のマンションがある方向に歩き始めた。





ぜったいに、マンションに彼女をあげたくない。




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