愛を教えて。
ぐいぐいと、私の手をひっぱりながら、前に進む糸井エリナ。



私も馬鹿で、連れて行きたくなんかないのに、彼女の


「こっちであってるよね?」
という言葉にただうなずくことしかできない。



ふと気がつくと、視界に、私のマンションがあった。


嘘…こんなに早く。



まぁ、紅茶の話のくだりから、走るように連れてこられていたから、早く自宅に着くとは予想していたけれど、心の準備がまだできていない。



「ねぇ、白石さん、もしかしてこのマンション?一番大きいし、白石財閥令嬢ならこのぐらいのマンションに住んでるよねっねっ?」




もう、どうにもできないらしい。




本当に、彼女を家に上げなければならないのか。





「ここ、白石さんの家なんでしょう?」



「…………」




    


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