Fahrenheit -華氏- Ⅱ
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「嬉しいな~♪瑠華から泊まりにきたいなんて言ってくれるなんて♪」
車のハンドルを握りながら俺は始終ご機嫌。
なんてたって隣には愛しの瑠華ちゃん♪
俺たちは仕事をいつもより早い9時で切り上げて、例のごとく時間差で出た彼女を迎えに行ったしだいだ。
体の不調もどこへやら―――…と言いたいところだが、体は正直。
腰が痛い。
しかし一度瑠華に湿布のことを見破られてからは、それを貼るのも恥ずかしくて控えている。
しかしこうも腰が痛いようじゃ、今日はお預け。
せめて痛みが引いてくれればな…
なんて考えてちらりと隣の瑠華を見る。
「瑠華。俺を踏んでくれないか?」
俺の発言に瑠華は顔を歪め、
「はぁ?」と素っ頓狂な声を上げた。
しまった!!これじゃドM発言だ!!
「あ!いや!!変な意味じゃなくて、腰の上に乗って欲しいって言うか…」
瑠華はしろ~い目で俺を流し目で睨むと、
「変態」とぽつりと漏らした。
いや!そーゆう意味じゃなく!!
瑠華ちゃ~~~ん…!