Fahrenheit -華氏- Ⅱ
「Hey,morning」と挨拶をしてその後淡々とした説明を三分しただけで
「オッケーみたいです」と瑠華は電話を切った。
「そっかそっか、良かった~、じゃ俺も裕二に…」と言いかけたところ
「その代わり条件があります」と瑠華に真剣に見つめられ、俺はちょっと身構えた。
じょ、条件??
法外な金を用意しろ、とか?それともアクセサリー(男)を紹介しろとか?
しかし、条件てのは意外なもので
「啓のマンションで啓の手料理が食べたいみたいです。お邪魔しても?」と至極真剣に見つめられ
「何だ、そんなこと?」正直拍子抜け。
「ご無理を言って申し訳ございません、急なことなのでご都合が悪ければ日を改めさせていただきます」と律儀に瑠華が謝ってきたが
「大丈夫、だいじょぶ。偶然にも今日大量に餃子作ったばかりだからさ~」とへらへらと言うと
「餃子!」
瑠華がカっと目を開いた。
え!何!?餃子嫌いとか……?
てか朝から大量に餃子を作った俺にドン引きしてる??
と、再びビクビクしたが、瑠華は僅かに身を乗り出して顔を近づけると俺をじっと見つめてきた。
ほ……ホントに俺何やらかしたんだろう…
「あなたは本当に謎ですね。因みに私も心音も餃子は大好きです。昔は良くチャイナタウンでテイクアウトしてました」
え、そーなの……
と言うことは、瑠華が驚いているポイントとしてはやっぱ朝から大量に餃子を作ってる俺が謎ってところだよな。俺、ホントはもっとかっこいい筈なのに、瑠華にはかっこ悪いとこばかり…トホホ。