Fahrenheit -華氏- Ⅱ


結局、俺は喫煙ルームに逆戻り。


「忙しい」とか「打ち合わせがある」とか言って適当な言い訳をこさえて断ることもできたが、聞き捨てならない単語を聞いて、そのまま立ち去ることができなかった。


村木は俺を喫煙ルームに招き入れると、辺りを見渡しキッチリと喫煙ルームの扉を閉めた。


よっぽど聞かれたくない話をしたいようだ。何を話したいんだよ。


俺は身構えた。


「で?聞きたいことって何ですか」とせっかちに俺が聞くと


「神流部長、あなた今年でいくつにおなりですか?」と唐突に聞かれ


はぁ?


俺は思いっきり不審顔を作った。相手にもその表情と感情が伝わっている筈なのに、村木はめげずに


「何歳ですか?」と再び聞いてきて


「今年で2じゅう……7になりますが……」と正直に答える俺。まぁ??年齢詐欺ったところでこいつが何を得するか損するかなんて俺には関係ないし。てかその気になりゃ人事部でデータを見ることだってできる。こいつに嘘ついたとしても俺にとって得にも損にもならない。


俺が答えると村木は値踏みするかのようにじろじろと俺の足のつま先から頭のてっぺんまで視線を這わせる。


な、何だよ。気持ちわりぃな。


「あの、私の年齢が何か……」と言いかけたところ、再び今度は俺の質問に被せるように






「好きな女性のタイプってどんな感じですか?恋人はいらっしゃるのですか?」




と、宇宙語とも思える謎の質問が飛び出てきて俺は目を開いた。


はぁーーーー!!?



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