Fahrenheit -華氏- Ⅱ
マンションに帰る前、俺たちはスーパーに寄った。酒も足りないだろうし、餃子だけだと味気ない。今から料理する時間も気力もないから惣菜でも買って行こうかと。
スーパーでカートを引きながら……てか何が悲しくて野郎二人でスーパーで買い物……
ガクリ
あまりうまそうではなかったが無いよりはマシかと思い焼き鳥なんかのパック詰めを籠に入れている間も、裕二は俺のスーツの袖を掴み
「なぁなぁ俺、何かやらかしそうになったらお前止めてくれよ」
「俺はお前のブレーキ役かよ。ヤだね、そんな面倒なこと」
「冷てぇな!」
「オトコに優しくできる程俺はデキてない!!」
キッパリハッキリ、ズバリと言い切ってやると裕二は俺の性格を知り尽くしているのかそれ以上は言ってこなかった。
ったく……面倒くせぇ。
でも、瑠華と会えると思うとやっぱちょっと嬉しい♪
と言うわけで適当な酒とつまみや惣菜を買ってマンションに帰りつき、着替えもせず俺はホットプレートを出して餃子をセット。
裕二は女二人の登場を前に緊張しながらもぎこちない手つきで皿を並べたりと言う手伝いをしている。
そこから30分後の20時頃だった。
ピンポーン
インターホンが鳴って、それだけで裕二は体を硬直させていた。
ちょっと苛め過ぎたかな。苦い笑いを浮かべながらインターホンに出ると予想通り瑠華と心音ががモニターの中寄り添って映っていて、瑠華は相変わらずの無表情だったけれど心音ちゃんは『ヤッホー!』とぶんぶん手を振っている。
俺の背後で画面を覗き込んでいた裕二が、ガタガタと身を後退させ椅子に背をぶつけていた。
もうビビってんのかぁ?チキンめ、と思ったが
「啓人!すっげぇ美人じゃねぇか!!
類は友を呼ぶって言うからか?」
そっち??
まぁ彼女たちは顏とスタイルなら類ともだが。……て言うかそれ、俺たちにも当てはまってね?
類は友を呼ぶ。
元遊び人のクズ男二人。
サイテーな類ともだな。