髪の短い天使
「美幸。どうしたの?」
麗ちゃんが心配そうに、私を見た。
「ん?なんでもないよ。」
麗ちゃんに言おうかな……赤団が勝つ自信も、四組が優勝する自信もないって。
「美幸……あと一日だね。泣いても笑っても、中学校最後の体育祭だよ。」
そう言って、麗ちゃんは笑った。
麗ちゃんは、三年間の行事でこの体育祭が、初めて参加する行事だ。
そして、この体育祭は最後なのである。
「ねぇ、麗ちゃん。麗ちゃんは、赤団と四組の得点みた?」
麗ちゃんは、どこか遠くの方を見ながら言った。
「見たよ。負けてたね……でも、今日一日すごい楽しかったし、明日頑張ればいいよ。美幸が頑張ってるの、皆知ってるよ。」
すべてお見通しだった。私が不安だったことも、自信が無いことも、全部麗ちゃんは知っていた。
私は、夕日を見ながら涙が出そうになった。
目を押さえていると、麗ちゃんは笑いながら私に近付いてきた。