rain×rain【完】
沖田総司は私の手首を強く握った。
「痛いって、放してよっ!!」
そう言って私は手をブンブン振って逃れようとした。
カラリと地面で聞き慣れない音がした。
暴れた反動で何かが落ちたのだ。
「あっ…」
それは、おばあちゃんにもらったクシだった。
私は思いっきり爪を立てて
私を引っ張る腕を引っ掻いた。
だけどその手は離れずますます強さを増した。
「総司、その子放してあげなよ」
「だって逃げちゃうかもしれないでしょ。そんなの困るし」
はぁぁっ藤堂は重いため息をついて私のクシを拾ってくれた。
「っ!!このクシ…!!」