赤い夜のサーカス

サーカス




とある街のとある家の朝
フライパンで焼く音、子供が駆ける音、様々な音が彼らをせき立てます

「お母さん!
早く早く!!」

「もうちょっと待ちなさい。
もうすぐできるから。」

そういわれても尚、男の子は落ち着かず母の横でぴょんぴょんと飛び跳ねています

一体何故急いでるんでしょう?

それは一枚の紙切れに遡ります
『サーカス団がやってくるよ!』

ポップで踊るような字でかかれたそれに目を留めて、男の子はニッコリ


「さぁ、できたわよ!
たくさん食べてから、出発しましようね?」


今日は待ちに待ったサーカスの日
この、田舎の町に初めてやってくるサーカスの日




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