蒼空で。
何を見る訳でも無く只々、窓の外に目を向けていると、段々と近づいてくる複数の足音が聞こえる。

ガラッ

ノックも無しに開かれた扉に、先程の複数の足音の主達が私のいる部屋に来たのだと、ようやく悟った。


何も見ていないはずなのに、何故かそちらに向く事なく、私はずっと外に目を向けていた。

扉を開けても暫く入って来る様子がなかったが、





「ーーゆ」

「…っ、先生!!ゆきが…藤堂さんの意識が戻りました!!!」

「ゆきちゃん…!!よかった…本当に、よかった……!!!」


慌ただしく動き出した。



ゆき

私の名前だ。



ベッドを揺すられ、ようやく視線を向ける。

視界に入ったのは、白い部屋とは正反対な黒。
全員スーツか黒いワンピースを着ていた。


それと同時に、白衣を着た男の人が部屋に入って来た。


「あぁ、藤堂さん、目が覚めて良かった。
これ以上寝てたら、お腹の子にも良くないからね。」
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