蒼空で。
「ゆき。」


私の質問に誰も答えない中、また知らない顔が一人入って来た。
この人も黒を纏っている。


「ゆき、お前の腹ん中に子供がいる。」


頭を鈍器で殴られたような衝撃が私を襲う。


「今、3ヶ月だ。」

「な、に…?」


……私の前にいる男は何を言ってるの?

私に子供…?


「……ない…」

「あ?」

「そんなの、有り得ない!」

「……」


3ヶ月といったら、すでに妊娠の兆候があったはず。
何故ここまで放っておいたの?
気づいてれば、私に産むという選択肢はなかったはず。

一番おかしいのは、全く、身に覚えがないということ。

もし、仮に、本当に私の中に子供がいるんだとすれば……


「誰…?誰の子なの…?」
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