私はヤクザ



松山と2年後に決着をつけると約束し、松山組を後にした。

次の日私は家に七海を呼んだ。

「椿・・・。聞いたよ。智君の事。なんで私に何も言ってくれなかったの??
また椿は一人でなんでも決めちゃうんだから。」

『ごめんね。七海。でもね・・・多分私自信が智と別れる事を望んでいたのかもしれない。』

「どういうこと??」

『あのまま付き合っていたら私・・・。昔に私に戻っていたかもしれない。
自分が壊れるのが怖かった。
それに・・・。大好きな人の気持ちを押し殺してまで付き合いたいとは、思わない。』

「・・・。そうだね・・・。大丈夫!!椿には私がいるし!!相模さんだっている。」

『ありがとう。七海。七海には感謝してもしきれないよ・・・。』

「それより・・・。椿痩せた??」

『うん・・・。最近体調悪くて。』

「風邪??症状は???病院行った??」

『食欲ない。匂いを受け付けないの。』

「・・・。ねぇ。椿生理来てる・・・?」

『えっ??・・・・七海。今何月・・・??』

「・・・・・8月。」

『・・・。6月・・・。6月から来てない・・・。』

「・・・。病院行こう??今すぐに。」

『でも・・・。』

「行くよ!!!」

私は七海に連れられて近くの産婦人科に来ていた。

「佐山さーん。佐山椿さーん。診察室へどうぞ。」

案内されて私は診察室へ入った。
検査をして、結果が出るまで待っててと言われた。

私の頭の中は真っ白だった。
ただ分かるのは。
松川からの条件をみんなに話した後。智に押し倒されたあの時・・・。

子どもができているならあの時しかない。
でも・・・。もしできていても。私の頭の中には『中絶』という言葉はなかった。
命の大切さを誰よりも私は知っている自信があるから。


「椿??もし出来てたらどうするの??産む??智君には言うの??」

『・・・。出来てたら産むよ・・・。小さいけど命には変わりない。
智には・・・。言わない・・・。』


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