私はヤクザ



その日私は七海とたくさん語った。
でもやっぱりどんな話をしていても七海は絶対話を戻す。

「智くんには本当に言わなくていいの?」


『七海。その話何回目??いいの!!
もし話してしまったら別れた意味がなくなってしまう。
私は大丈夫。守るものがあるから。
母は強しってね!!』


「椿・・・。分かった。もう言わない。
でも私にはちゃんと頼ってね??
お願いだから一人で悩まないでね??」


『ありがとう七海!!
今もこうして傍にいてくれることがもう支えだよ??
これからもたまに泊まりに来たりしてくれる??
私も七海の家に泊まりに行っていい??』


「もちろん!!
毎日でも泊まりに来る!!椿はうちに来なくていいよ!!
だって椿来ちゃったら私・・・。相模さんに会えないからね!!」


『七海・・・。分かった!!
なら、今度相模の部屋に泊まったら??』


私の言葉に七海は顔を真っ赤にさせて

「もー!!何言ってんのよ!!」

とか言いながらまんざらでもなさそう・・・。


「椿・・・。どうしたら相模さんとの道が交わるかな・・・。
これからもずっと平行線のままなのかな・・・?」


七海・・・。
私は知ってるよ?
もう相模と七海の道は交わってるよ??
それに七海と相模本人が気づいてないだけ。

相模は27歳。七海は16歳。
だからきっと相模は遠慮してるんだよ。

七海??
きっと幸せになれる。

そんなことを思いながら七海に目を向けると七海は夢の中に旅立っていた。

そんな七海に布団をかけてあげて

『七海・・・。大丈夫。ありがとう・・・。おやすみ』

寝てる七海を残して私はある場所に向かった。


そこは七海が好きで好きでたまらない人の部屋。
そして
七海のことを愛してる人の部屋。


私が二人にきっかけを作ってあげる。

たくさんの二人からの「ありがとう」をこれから少しずつ返していくね??

これがその第一歩・・・。


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