純恋
ブランコの女
その女は廊下側の前から3番目の席に座った。


幸いにも俺は窓側の一番後ろの席。


授業中チラチラとその横顔を盗み見た。


・・・間違いない・・・
あの顔だ・・・
あの姿だ・・・・



休み時間になっても
気になって仕方ない・・・

「なぁ・・・祐二。」


ゆっくり祐二が振り向いた。

「・・今、祐二って言ったか・・?」


「・・・・」


「言ったよな!!しゅんが初めて
俺の名前を呼んでくれたぞぉ!!!
やったぁ~~!!!!」

ガッツポーズまでして
満面の笑みで俺の顔を見る。


「で!!なになに???
しゅんが話しかけてくれるなんて
俺、本当に嬉しいっ!!!」


まるで犬が尻尾を振って
潤んだ目で近づいて来るようだ。


・・・そう言えば俺から話かける事
なかったな・・・・


こいつはいつも一人で騒いでるし・・・













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