占い師の恋【完】
にやり。笑った風見さんは指をボキボキと尋常じゃないほど鳴らして
海に沈めてやる重り付きでな、と。
とても正常な人とは思えない言の葉を吐き出してくれた。
私は隣の棗ちゃんに助けを求めれば、大丈夫だよ~なんてにっこり。
「渚。帰ってもいいんだよ?」
――…普段、可愛らしい子の方が怒るとハンパなく怖い。
棗ちゃんは見たことないような怪訝な顔で風見さんを睨みつければ、ばつの悪そうにまた静かに焼酎を飲みだした。
「さて。どうぞー。」
「(どうぞーっと言われても…)」
なんとも話しにくい棗ちゃんのフリに苦笑い。
チラリ。風見さんへ視線を向ければお酒を飲みながらも私を見ていたからびっくりした。
「…前に、風見さんに言いましたよね。私が背負ってるもの…、」
「…ああ。でもあれはお前の背負う必要はねえ…」
「あるんです。私が背負わなきゃ、皆忘れちゃう。」
「……。」
ぐっと膝の上で拳を握る私を二人は黙ってじっと見つめていた。