占い師の恋【完】
「お前、親父は…?」
「…私が小学生の時に家を出ました。散々家族をめちゃくちゃにして。」
「めちゃくちゃって…、」
「そのままです。世間一般ではDVって言うんですかね。私は暴力はされたことなかったですけど…、」
すらすらと口から出ていた言葉は、喉がつまったようにストップする。
なんだ?と片眉を上げる風見さんと、まっきー?と心配そうに顔を覗き込む棗ちゃん。
大丈夫だよと笑ってはみるが、震えだしてしまう体を止めることはできない。
感情がよく分からないのに流れ出す涙に混乱して腕で肌が摩擦で赤くなるほど擦る。
「擦っちゃだめ!」
私の腕を掴んだ優しい手に今度は下唇を噛みしめて俯く。
あ、血の味がしてきちゃったよ……。噛みすぎだな。
そうは思うも、これが一番我慢できるからこれでいい。
「茉希は…何された。」
明らかに声の中に怒りが込められている風見さんは、射抜くように私を見ていて。
既に見透かしているような今のこの男に、嘘は通用しないと思った。