占い師の恋【完】
助けて欲しい。けど関係ない人まで巻き込んでしまっている。
口を開けない私に風見さんは
「余計なこと考えんなよ。俺等が茉希の力になりてえから勝手に聞いてんだ。」
「……言葉、です…。」
ぼそりと呟いた声は本当にか細いし小さくて。
伝わっただろうかと不安によるなったが、「言葉?」と。
再度私の言葉を繰り返した風見さんにはしっかり聞こえていた。
「言葉って、何て?」
「……いっそ、のこと…」
「死んでくれ、て…。」
ガンッ!!
私の言葉を切り裂くような鈍い音に体が跳ね、吃驚してしまう。
犯人は勿論、風見さん。
目の前の机を蹴りつけて盛大に舌打ち。
机の上に置いていたお酒の入ったグラスは、振動に耐えれることが出来ずに中の液体を机に広げていく。
「…タオル取ってくるね。」
棗ちゃんも怒ることなく静かに立ち上がるとタオルを取りに行ってしまう。
一方風見さんは乱雑にポケットから煙草を取り出すと、口に加えた。
慣れた手つきでそれにライターで火をつけ、紫煙を吐き出す。