占い師の恋【完】


青は私の方に顔を向けて少し首を傾げる。囁くようだがハッキリと。



「今回のことは、全部緑から言い出したんだ。」



それにえ?と聞き返せば冷静だけど悲痛な色を含んだ瞳が私を射抜く。


私もその瞳から目を逸らせなくて、沈黙に包まれた私たちの間の空気は酷く重々しい。



「…緑が゙俺が戻るからお前は自分の大切なもん守れ゙って…、」

「……。」

「俺の大切なもん、茉希だら。」

「っ……、」



この真剣に、大事な話してるときにコイツは突然何を言い出すんだ!

反射的に顔の色を赤らめてしまうと、青の指が私の右耳のピアスに触れる。


「外してないってことは、茉希俺のこと好きなんでしょ。」

「な、にいって…」

「俺人のことあんま好きとか思わないし。でもそんな俺が欲しいと思ったんだから、もう俺の茉希なんだよ。」

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