占い師の恋【完】
自分勝手というか…、何様なんだまったく。
でも、嬉しいとか思っちゃうんだからどうしようもない奴だな私も。
「茉希を離したくない…、でも、緑の……、」
言葉を濁らせて俯く目の前の男は、唇を噛みしめて眉を潜めている。
そして。珍しく動揺しまくる青は頭をガシガシとかいて少し長い前髪をかきあげた。
「緑の人生、潰してるんだ……。」
「…(ああ、私って本当にどうしようもない。)」
青が今目の前にいることに頭を独占されて、杉山さんが言っていた言葉の意味を深く考えようとなんかしていなかった。
゙俺がここまでしたんだから、青にはしっかり責任取ってもらわなくちゃね。゙
《俺が家を継いでやるんだから、青は大切なもん守らないとね。》
役目交代だ……って、意味なの?
そんなん、私が一番嫌いなお節介だよ。杉山さんのお節介やきは、
お節介を通り越して馬鹿だ。