占い師の恋【完】
静まりかえる私の部屋は異世界のようで。空気が無いみたいに息が上手く吸えないし、息苦しい。
それはただの私の思い込みなのだけれど。それほどに今私と青の周りの空気は重々しいのだ。
「ねえ、茉希。」
私の名前を囁くその声は脳が痺れるぼど甘く。でも切なげなそれに、視線だけを向ける。
「今、何思ってる?」
「……、」
「緑が家を継ぐのは自分のせいだって、思ってる?」
私の顔を覗き込む顔は、眉が下がり悲しそうに歪んでいる。青も馬鹿だそんな質問してきて。
そんなん…、
「そんなん……当たり前じゃんか。」
ムスッとした顔でそう呟いて睨むと「うん。そうだよね」なんて言って苦笑いの青。その笑顔のまま、また私の右耳をそっと指で撫でてピアスを弄る。
その行動がよく分からなくて、怪訝な目で青を見つめた私だった。
が。
「茉希、好き。」
「ほんとイキナリ…!」
頬を紅潮させれば、嬉しそうに口元を緩めて端を持ち上げる青。