占い師の恋【完】
話をすればいつも青のペースだ。ほんとキャラじゃないくらいにドキドキして。
キャラによってドキドキの度合いが変わるのかは分からないけど。取り敢えず私が青にのまれるのは納得いかない。てかしたくないんだと思う。
「なんでそれ今。」
まだ頬は紅いだろうけどそれに冷静を装った瞳で睨めば。
私の顔を覗いたままの端正な顔は、にやりと妖艶に口端を上げて
「言いたかったから。」
――まあ、理由としては成り立っているようないないような(ペースを奪われるのは嫌だから、いないという事にした)奴の言葉は目を逸らしてやった。
「…青は、どうするの。」
「……家に帰るよ。」
「そう、じゃあ、お別れだね。」
「……。」
杉山さんが家を継ぐなら、青は自由になるのかもしれない。でもそれを今の青は許せないでしょう?
押し黙る青は、どうして?って瞳を私に向けるだけ。それに答えなきゃいけない。こみ上げてくる熱いものは、一つ零した咳払いとともに思いを消して遠ざける。