占い師の恋【完】
そんな所もあの勝負も、おそらく私は…、負けているのだろう。
青には、多分。
本当は絶対認めたくないんだけど。負けた。
「…知らない。」
でも。悔しいし、簡単に認めるのは癪だから、強がってしまう。ふいっと背けた視線を紅茶の入るマグカップに移す。
耳にくすりと聞こえた甘い音。それが静かな部屋に響いた時には
私の体は隣に座る青の腕に包まれていた。
華奢な体の青。でも、誰よりも大きく感じる青の胸の中。今はこの心地良く温かい空間から離れたくない。
そっと青の背中に私も自分の腕を回すと、ぴくり、小さく動いた肩。