占い師の恋【完】




そう思うのに、私の体は全くと言っていいほど言うことを聞かなくて。

再び重なったそれに、目を閉じることしかできなかった。



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あの後、どうやって帰宅したのかよく覚えていない。

それって結構危なくないか?って思うけど、今は生きてるしどうでもいい。


取りあえず。私自信が恨めしくて憎たらしくて仕方がないんだから。
他のことは全然考えられない。

頭の中をぐるぐる回るのは、青の笑顔と悲しそうな顔と真っすぐに私を見つめるあの顔…、瞳だけ。



「…どうなってんのよ…。」

ぽつり、一人の部屋で音になったかどうかも分からない声を吐息混じりに吐き出した。


その時、静かな部屋にけたたましく携帯の軽やかな音楽が流れた。

手にとって開いて画面に表示された名前を見て、眉をひそめる。




「…、はい。」

『あ、茉希ちゃんよかったー、いて。』

「いますよ。存在してます。」

『あはは、そうだよね。』


電話の相手は杉山さん。
基本、電話なんかめったにしてこない人だからちょっと吃驚した。



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