透視眼鏡【BL】


「で、なんなの」

入って早々、家主よりも先に
ベッドに座って寛いでいるとそう聞かれた


「ちょっとあれだね、
 何をどうしたのか経験談を知りたくて」

手で破廉恥なジェスチャーをしながら言う

諦めきったようにため息をつくサチ。


「……実践でもよければ教えてやろうか」

「やだー、さっちゃんエロいー
 ……ぜひ!」

膝に手を乗せ、ビシッと待機!
ふざけたような真剣さが伝わるように、
サチの目を見つめながら言う。


「……お前さ、本当は分かってるんだろ」


サチが、今日何回も見せた
あの表情で、俺に詰め寄る。


「……何の事でしょうか……」


だから、その顔は一体何を意味するんだ?




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