《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
この日は毎年、家族と
親戚と、そしてお姉ちゃんの
親友だった苑子さんが、
墓前に集まる。



――あたしは決めたんだ。



その時、もう一度ピアノを
弾きたいっていうことを、
お姉ちゃんを含めたみんなに
ちゃんと説明するって。



そして―――お姉ちゃんが
託してくれたあの楽譜も、
あたしが引き継ぐって。



それを宣言することで、
あたしだけじゃなく、みんなも
動き出すきっかけになればいい。

――そう、思ったから。



(あたし達は変われる。

――そうだよね? お姉ちゃん)


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