秘密のMelo♪y⑤*NY編*


『そういえばさーマヒロ』


慣れた手つきで梨を切っていくメイリーが、ふと思い立ったように口を開いた。


『この家、もう一つ空き部屋借りられるかしら?』


「えーうん」


『じゃよかった❤あたし、送っちゃったのよねーチケット』


『……』

『……』

『……』

『……』


「…だれに?」


…おうよ。

そりゃ…俺も聞きてェ。

というか…。


『ちょ、まさか本当にあいつに!?』


『だって間違えて買った一枚、もったいないじゃない!』


『だからってなにも…ねぇ』


『他にいないでしょーあっちにはさ』


『そりゃそうだけど…』


…どうも女組は知ってそうだな。

しかもあんまりいい相手じゃなさそうだ。

……ケイン…とか。


『よくない相手でケインってお前…。仮にもせんせえに失礼だな』


『だってお前ェ…、ウィーンだぞ? 他に思いつかん』


『まあ確かに…』


アッシュも知らないらしく、首を捻りながら『誰のこと?』と聞いた。


『ああ…』


―ピルルルル…


< 163 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop