秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『そういえばさーマヒロ』
慣れた手つきで梨を切っていくメイリーが、ふと思い立ったように口を開いた。
『この家、もう一つ空き部屋借りられるかしら?』
「えーうん」
『じゃよかった❤あたし、送っちゃったのよねーチケット』
『……』
『……』
『……』
『……』
「…だれに?」
…おうよ。
そりゃ…俺も聞きてェ。
というか…。
『ちょ、まさか本当にあいつに!?』
『だって間違えて買った一枚、もったいないじゃない!』
『だからってなにも…ねぇ』
『他にいないでしょーあっちにはさ』
『そりゃそうだけど…』
…どうも女組は知ってそうだな。
しかもあんまりいい相手じゃなさそうだ。
……ケイン…とか。
『よくない相手でケインってお前…。仮にもせんせえに失礼だな』
『だってお前ェ…、ウィーンだぞ? 他に思いつかん』
『まあ確かに…』
アッシュも知らないらしく、首を捻りながら『誰のこと?』と聞いた。
『ああ…』
―ピルルルル…