秘密のMelo♪y⑤*NY編*

聞い…て?


思わず顔を見合わせた。

今、聞いてっつったか? ユウキに?


「あたしいい加減父様嫌いになっちゃうっ」

「まあ確かにうざい…あいや…えー…面倒だけど…あんた命って感じだぜ」

「でも…」

「分かるけどな。…つーかあんた、自分で言ったんだろ俺に」

「なにを」

「ほら…。ウィーンで最初に会った頃だよ」


…おいおいおい…。

愚痴り出したぞ真裕のやつ、ユウキに。

どうなってやがる?


『うそ…』


「ああ…。あれはあれ、これはこれ。……てかぶっちゃけ口から出まかせ?」

「最悪だなΣ」

「うそだよ。…でも若干…いや結構…他人事では…あったかなー…」

「自分の母親のことと重ねてたんじゃないのか?」

「まあね。でもあくまで他人事っていうか!」

「……」


ああ…ひょっとしてあの説教のことか?

そういや真裕のやつ、自分と重なるユウキに怒鳴りつけてたっけか。

もしかしてユウキは、あれがキッカケで真裕に惚れたか?


少し前のことを思い出しながらも、しっかり神経は耳へ。


「はあ…。俺がバカみたいだろ…」

「みたいっていうかバカじゃん」

「お前なΣ」


『ね、ねえなんで? なんで普通に話してんのユウキのやつ!』


『あたし達、入れてすらもらえなかったのよ!?』


『パパに至っては本気で怒られて追い返されたわよ!?』


『それがなんで!』


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